難し細かい事は覚える必要もないと思いますので省略しますがIMM通貨先物ポジションとはアメリカシカゴ先物市場での投機筋の通貨取引の建て玉の推移を示しているデータです。
要はシカゴ先物市場で投機筋が現在ショートの建て玉残とロングの建て玉残をどれくらい持っていてどちらの比率がどれくらい多いか少ないかをグラフで表してくれています。
実需ではなく投機筋ですからいわゆるヘッジファンド等の連中がいつかは反対売買をして利益を出して逃げる予定のポジションがどれくらい偏っているかを見る参考になるわけです。
もちろんシカゴの投機筋だけがFXの市場を動かしているわけではありませんがこのIMF通貨先物ポジションが世界のFX市場の縮図として市場参加者全体が注視している事は間違いありません。
IMM通貨先物ポジションのグラフを見る際に重要なのは「偏り」とその「増減」の変化です。
これについてはグラフを見ながら説明してみましょう。
IMF通貨先物ポジションの見方
まずは一番ロングとショートの入れ替わりが多くわかりやすいポンド/米ドルのIMM通貨先物ポジショングラフを見てみましょう。

(ポンド/米ドル2018年8月28日火曜日現在のIMM通貨先物ポジション)
IMF通貨先物ポジションのグラフは黄色い棒グラフ1本は一週間単位でその週の火曜日現在のデータをその週の金曜日に公表しています。
ぱっと見て分かるように値動き(青いライン)とロング-ショートの差し引き建玉(黄色い棒グラフ)の動きに相関関係があるのが分かると思います。
多少のズレが生じている部分もありますが基本的にはショートが減ると値が上がり、ロングが減ると値が下がる動きをしています。
投機筋が売り(ショート)を減らすという事は反対売買の買いをするという事ですから値が上がる。
投機筋が買い(ロング)を減らすという事は反対売買の売りをするという事ですから値が下がる。
またグラフの右側辺りを見ますと、どんどんとショート・ポジションが増えている状況ではそれに伴って値が下がっているのも分かると思います。
(投機筋のショートが値を下げている状況)
「ぶっちゃけFXリピート注文なんてやってるよりIMM通貨先物ポジションのグラフだけみてポジション持った方が儲かるんじゃねぇ?」的な感じもしますね(汗)
シカゴの投機筋だけが市場を動かしているわけではありませんから完全に動きが一致するとは言いませんが充分に中長期のポジションを持つ際の参考データにはなり得るわけです。
IMM通貨先物ポジションの動きが読めれば爆益!?
では次はドル円のIMM通貨先物ポジショングラフを見てみましょう。

(ドル円2018年8月28日火曜日現在のIMM通貨先物ポジション)
ドル/円はポンド/米ドルとは違って直近一年で見る限りでは圧倒的に円ショート(円売り)のポジションが優勢になっています。
2018年1月23日の週くらいからそれまで積み上がっていた円ショート(円売り)のポジションが少しずつ減って来ています。
(赤い斜めの矢印)
それに伴ってドル/円の値も下落してきています。
これは投機筋が円ショート(円売り)のポジションを減らしてきた
→反対売買の円ロング(円買い)を始めたために円が強くなったという事です。
円のショートポジションが差し引き0に整理されてから(赤い太矢印)ドル円が急上昇し始めたのはあくまでも私の想像ですが基本的にドルは円に対して大きな政策金利の差というアドバンテージがあるわけですから投機筋のドル円ロング狩りが終了したことで当たり前に金利の高いドルを買う流れが顕著化したのではと見ます。
この当時は「ドル円105円割れか!100円まで落ちるのか!?」などと大手FX解説サイトも騒いでいたわけですがIMM通貨先物ポジションのこのグラフを見て読む事ができればこの時ドル円ロングすれば爆益だったかもしれませんね。

では最後に日本人に人気の通貨ペアー、私もリピート注文で多用している豪ドル円のIMM通貨先物ポジショングラフを見てみましょう。

(豪ドル円2018年8月28日火曜日現在のIMM通貨先物ポジション)
これもドル円と似た様な動きで投機筋の豪ドル円ショートのポジションが解消され、差し引き0になるとすぐに反騰して豪ドル円の値が急騰していますね。(赤い矢印)
投機筋の反対売買のショートが一巡したため一気に上放たれしたんですね。
現在は3週間前ほどから溜まってきた投機筋の豪ドル円ショートのポジションが少しずつ減りつつあるようです。
2018年8月末現在、豪ドル/米ドル(AUD/USD)は0.70のストップ狩り狙う勢いの下落ムードの相場ですし、豪ドル円も70円台にツッコむ売られ方もしていますが、もし来週あたりのIMM通貨先物ポジショングラフから順次豪ドルショートが減って来るような場合、投機筋の反対売買のロングが一斉に出て下方向のストップ狩りに不用意に着いていった個人投資家が足元をすくわれる豪ドルの急騰という場面もあるかもしれません。
特に豪ドル円とかプラスにスワップの付く通貨ペアーの底値ショートとか精神的にも毒ですからこのブログを御覧の方は過度の追っかけ豪ドルショートにはお気をつけくだされ(笑)

IMM通貨先物情報はここで見れます
投機筋のIMM通貨先物ポジション情報を見れるサイトはいくつか存在します。
私も今回の記事を書くまでは下に紹介するAのサイトは知っていたのですが今から思えばここじゃ転換点がわからないのでだめですね。
やはり今回例として上げたような先物動向の転換点が良くわかる@のサイトを見た方がお勧めです。
まぁBはプロ向きといいますか私も見方がよくわかりません(汗)
今回この記事を書くために色々と調べてAのサイトで見れるIMM通貨先物ポジショングラフの強力さに初めて私も気付きましたわ。
「情けは人の為ならず」とはこの事ですね。
ちなみにこの諺は間違った解釈をされている事も多いと聞いたので要らぬお世話かもしれませんが本来の意味は「人に掛けた情けはいずれ自分にも帰ってくる(良い意味でね)」という意味です。
「他人に情けを掛けるとその人のためにならないので情けは掛けないほうが良い」という意味ではありません(笑)。
より有用な情報をFX初心者の皆さんに提供しようという気持ち対しての神様のご褒美だと思って私も今後バンバンと使いますわ(笑)
これ知ってたら2018年3月末のドル円105円台の底ロング取れたもんねぇ〜(笑)
IMM通貨先物ポジションのまとめと注意点
先程も書きましたがIMM通貨先物ポジションのグラフはその週の火曜日現在のデータをその週の金曜日に公表しています。
正確に言えば最新のIMM通貨先物ポジションはアメリカ東部時間の金曜日の午後3時30分、日本時間では土曜日の午前4時30分にCFTCのホームページで公表されます。
仮にそのデータを検討し翌週月曜からそのデータを元にポジションを持つとすると情報と行動の間に約一週間のタイムラグが発生します。
仮にその期間中にファンダメンタル的な変化が起これば想定した方向とが逆に相場が動く可能性も充分にあります。
またこれも先程も書きましたがこのIMM通貨先物ポジションは世界のFX市場の中のごく一部であるシカゴの為替先物市場のポジション状況のデータですから実需系の需給関係は一切考慮されていない数字です。
今まで一緒に見てきた通り充分に実際のトレードに使える有用性のある情報ではありますが絶対ではない事を常に意識しながら有効利用してくだされ。
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